2010年12月27日

冬コミ準備中

そんなわけで一応同人ページでも本が置いてあるスペースNoやら何やらを書いてみました。
本文&表紙の印刷も終わってて、明日キンコーズ行ってコピー→製本するだけでなので当日は新刊用意できてるんじゃないでしょうか。

告知してる以外にもこの前のティアで出したいわサク6話も持って行く予定ですが、そっちはMARさんのとこ以外においてるやも。その場合はまたここで報告させていただきますのこと。



で、例によって新刊の告知ページ作ろうかとも思ったんだけど、めんどくさいコピー本の告知を毎回別ページというのもどうかと思ったので、こっちにサンプル載せてみることにします。
全然更新しやしねーここをチェックしてくれてる人への感謝の気持ちも込めて、ちょっと前にmixiに載せたのよりちょっと加筆修正したヤツ。

重くなるとアレなので格納しておきますので、読みたい方は下の『サンプル』をクリックしてください。


妹物語 〜あららぎファイヤー〜


 受験勉強。高校三年生で、しかも大学進学を目指しているの学生にとっては一二を争うほど大切なこと。もちろん、それが全てとは言わない。確かに今の僕は受験生であり、受験勉強はこれからの人生を見据えてみてもかなりの重要度だとは思う。しかしそれでも僕ことっては、それより大切なものがいくつかある。だからこそ僕は羽川に『夏休みがあけに気を抜いちゃダメだよ』と忠告されていたにもかかわらず、あれやこれやとしてきたわけだが、それは間違いなく僕にとって受験勉強より――さらに言ってしまえば、大学進学よりも大切だと思ったからだ。
 そしてそれらが解決した今、僕は遅れを取り戻すために机にかじりついている。勉強していなかった期間は、一週間足らず。そう聞くと『なんだ、大したことないじゃないか』と思う人もいるかもしれないが、元々出来が悪く――平たく言うと落ちこぼれだった僕にとっては、致命的といってもいいほどの空白期間なのだ。かくして僕は遅れを取り戻すために羽川推薦の参考書の問題を読み、戦場ヶ原推薦の文房具で答えを記入する。いや前者はともかく後者は関係ない気もするけど、そこはモチベーションの問題というやつである。それに戦場ヶ原が「使い心地がいいわよ」と言うなら、それは他の誰が保証するよりも確かだろう。使い方の問題はこの際置いておくとして。
 そんなわけで夜が更け深夜と呼べる時間になっても、僕の勉強のペースが落ちることはない。むしろペースが上がりすぎて、ケアレスミスをしないように気をつけなければいけないほどだ。このままペースで勉強できれば、数日のブランクなんてすぐに取り戻せる気がしてくる。
 しかし、世の中そう上手くはいかない。もとより怪異は人間の周りにあるとは言っても人間の都合を気にすることは稀であり。怪異に限らず災難というのは、起きてほしくないと思っているときに起きるから災難なのだ。
 とは言っても。
「兄ちゃん、入るぞー!」
 血を分けた実の妹に邪魔されるというのはどうだろう。
 ちなみに阿良々木家は三人兄妹であり、一番上は言うまでもなく僕こと阿良々木暦である。そしてその下にいる妹というのが本当に出来ることなら勘弁してほしいんだけど、残念ながら同世代の中学生のみならず、最近ではうちの高校にまで名前が聞こえてきた栂の木二中のファイヤーシスターズ――阿良々木火憐と阿良々木月火である。んでもって、扉を蹴りあけて僕の部屋に入ってきたのは言うまでもなく実戦担当の火憐ちゃんだ。
「とりあえず色々言いたいことはあるが、『扉はノブを回して普通に開けろ』って何度言えばわかってくれるんだ?」
「甘いな、兄ちゃん。ひょっとしたらノブを捻った瞬間鍵穴から毒針が射出されるかもしれないじゃねーか」
「どこのダンジョンだよ! 自室にそんなトラップしかけるヤツなんか聞いたことねえよって言うか、そもそも鍵なんてついてねえよ!」
 妹たちの部屋にはついているというのに。年頃の娘の部屋なのでしょうがないと思う人もいるかもしれないが、個人的には逆向きに鍵をかけてほしい。
「じゃあ鍵穴があったらトラップ仕掛けるのか?」
「どうせ仕掛けるならそんなもんじゃなく、ノックもなしに扉を開ける妹を落下させる落とし穴とか掘りたいよ」
「それならいっそ巨大岩石とか転がそうぜ」
「そんなもん仕掛けてお前はどうしたいんだ」
「転がってきた岩石を一撃粉砕!」
 残念ながらそれなりに裕福とは言っても阿良々木家は割と普通のご家庭なので、そんな大がかりなトラップを仕掛けるスペースなど無い。というかそんなインディがジョーンズだったりマクガイバーするような家は嫌だ。
「んで、何の用だよ」
 キリがないので、さっさと本題を切り出す。これ以上無駄話を繰り返していると勉強する時間が無くなるし、なにより羽川に『八十ページも話せるなんて、阿良々木くんの家は本当に兄妹仲いいよね』とかあらぬ疑いをかけられてしまう。
 そして問いかけられた火憐ちゃんはというと、いつかを彷彿とさせる体捌きで瞬時に正座、それと同時に両手をついて絨毯が敷かれた床に額をたたきつけた。つまり土下座再びだった。その動きにあの日――僕と火憐ちゃんが少しだけ仲良くなったあの日を思い出したりしたが、続いて火憐ちゃんの口から出た言葉は全く違うものだった。
「兄ちゃん、人生相談にのってくれ!」
 驚いた。
「人生相談って……お前が、僕にか?」
「はいっ!」
 会話をするために顔こそ上げたものの正座は崩さず、手もついたままである。そして言うことは言ったということか、その真っ直ぐな目でこちらを見つめている。
あまりに予想外な言葉に――というよりそもそも火憐ちゃんの口から『人生』なんていう言葉が出たことに驚いてしまったが、考えてみれば火憐ちゃんだって中学三年生である。来年からは高校生なんだし、相談したくなるようなことがあるのかもしれない。そういうことなら、兄として妹の話を聞くべきだろう。受験勉強はいったん休憩と言うことにして――まあ、火憐ちゃんがやってきた時点で半分かた諦めていたんだけど、とにかく本腰を入れてしっかりと聞くことにする。
「しかし珍しいな、よりによって僕になんて」
「兄貴ラブの妹キャラだから」
「そのキャラ設定まだ続いてたのかよ」
あれは神原を紹介してもらうための方便かとも思ったけど、そうじゃなかったらしい。確かに考えてみれば火憐ちゃんが『嘘も方便』などという言葉を知っているのかどうか怪しいし、もし知っていても本人が言う熱く燃えさかる正義の炎が嘘を許さないのかもしれない。
 まあなんだかんだと言ってみても、こうやって素直に頼られると悪い気はしない。普段は喧嘩してばかりだけど、ここは人生の先輩である兄として大きな気持ちで包容力を持って受け入れるべきだろう。
「ほれ、言ってみろ」
「うまい感じでちゃちゃっと処女捨てる方法教えてくれ」
 聞いた瞬間、顔面に向かって国語辞典をを投げつけた。
 妹に対して道具を使って攻撃してもいい状況というものも存在するのだ。
 まあ、効いてないわけだが。
「なんでだよ」
「打撃を受ける瞬間に同方向に動いて衝撃を逃がすのなんて、うちの流派じゃ初歩の初歩だぜ?」
 おまえがやってるのは絶対に空手じゃない。
 しかし、今大切なことは妹が通うショッカーの下部組織と評判の道場の謎を解明することではない。とりあえず兄として清々しいほど馬鹿な妹の話を聞くことにする。
「なんでそんなわけのわからんことを言い出した」
「え? だってジョシコーセーってみんな夜遊びして男性経験豊富なもんなんじゃねーの?」
「どこの知識だそれは」
「テレビでやってた」
「おまえは今後テレビを見るな」
 メディアの悪影響が我が家にも。その手の話を聞いたときはそれこそ『馬鹿なことを』とか思っていたものだけど、うちの妹はそんなものを軽々と凌駕するほど馬鹿だった。
 そして馬鹿は自分のことを馬鹿だと思っていないから馬鹿なのである。
「気持ちはわからんでもないけど、そういうのは焦って捨てるもんじゃないだろう」
「いやいや。奥手の兄ちゃんはそう思ってるのも無理はないけど、童貞とか処女が許されるのは小学生までらしいぞ」
「だからお前は今後一生テレビを見るな」
「ちっちっち、兄ちゃん、わかってねえなあ。最近の情報収集手段としてはテレビなんか時代遅れなんだぜ?」
「じゃあなんだよ」
「ネットで」
「お前は今後一切ネットを見るな。電話とメールの送受信以外の目的で携帯を使うな」
 ネットの悪影響が我が家にも。いや多分問題は受け手である火憐が馬鹿すぎることなんだけど。
「何でもかんでも見るな見るなって、都合の悪い情報に蓋をしたからって問題は解決しないんだぞ?」
 ああもう、鬱陶しい。本当になんで僕は高三の二学期に中三の妹と処女だの童貞だのと話をしているのか。
「とにかく、そういうのは時期が来たら何とかなるものだろ?」
「いやいや、現実から目をそらして安心してちゃいけないぜ。確かに最近の男子は草食系とかいうけど」
「いや、僕はそんなものになったつもりはないが」
 どっちかというと周りの女子が肉食系過ぎるだけで。特にヴァルハラコンビ。
「でも兄ちゃん、昔『僕は植物になりたいんだ』とか言ってなかったか?」
「草食系ってのはそういう意味じゃねえよ!」
「馬鹿にすんなよ、兄ちゃん。草食ってのは植物を食うヤツだってことぐらいあたしだって知ってるさ。そんな中途半端なものじゃなく、植物そのものになろうと思った兄ちゃんは究極の草食系男子だってことだろ」
 さすがあたしの兄ちゃんだぜ、とか続けられても欠片もうれしくない。というか僕の今までの人生においてトップ3に入る黒歴史を掘り起こさないでいただきたい。しかも嫌みとかじゃなく心底誇らしく言うのが本当にもう勘弁してください。
 そんなことを思って言葉を切ると、火憐ちゃんはすっくと立ち上がっていつになく優しい表情を見せ、僕の肩にぽんと手を置く。
「兄ちゃんだってどうせ童貞なんだろ?」
 そして、すごく朗らかに、今までに類を見ないほどろくでもないことをほざかれた。
「どどどど、童貞ちゃうわ!」
「そんな見栄張るなって」
「本当だっつーの!」
 思わず吹き出した後に反論するものの、聞く耳を持つ様子はない。
「だって、いくら翼さんの心が広いからってそこまでお世話しちゃってくれたりしないだろう」
「なんでそこで羽川一択なんだよ! この前、僕の彼女紹介しただろうが!」
「いや。戦場ヶ原さんクールな美人って感じだったし、気も強そうだしとても兄ちゃんが押し倒せるとは」
「だから、どうして無理矢理前提なんだよ」
「神原先生は違うしなあ」
「それはその通りだが、やけに断定的だな」
「だって神原先生本人が『阿良々木先輩が私の処女を貰ってくれないのだ』って言ってたし」
「お前はもうあいつと会うな!」
 テレビやネットなんか比べものにならないほど悪影響を与えるものが存在していた。
「なんだよ、兄ちゃんが紹介してくれたんじゃねーか」
「いやまあ、そりゃそうなんだが」
 言われてしまうとその通りなのである。まあ神原は火憐ちゃんの馬鹿と同じぐらいのレベルで変態なわけだが、身体能力とか運動神経という面でも同レベルかそれ以上であり、そういう友人というのは必要なのかもしれない。変態だけど。
 確かに、ちょっと問題があるからといって妹の交友関係に口を出すというのは兄として、そして家族として見てもやり過ぎだ。
 神原は火憐ちゃんの友人であるのと同時に僕の友達であり、さらに言うと後輩なのだ。火憐ちゃんが神原を尊敬するのと同じように――下手するとそれ以上に神原は僕を尊敬しているし心酔までしちゃってるようなので、一つ釘を刺すだけにしておこう。
 なんだか先輩風を吹かせているみたいでいい気分はしないが――
「しかし、『私の処女を奪ってくれないので阿良々木先輩の後ろの処女を貰おうと思っているんだ』っていうのはどういう意味なんだろうな? 兄ちゃん男なのに」
「神原ぅぅぅぅっ!」
 一刻も早く釘を刺すどころか釘で打ち付けて動けなくしたい気分だった。
「兄ちゃん、処女に前とか後ろとかあるのか?」
「知らん! 神原の話はこれで終わり! もし続けるんならお前の『人生相談』はここまでだ!』」
 そういうと火憐ちゃんは不服そうな顔をするが、それでも何とか納得したようでまた考え始める。
「まさか、千石ちゃんか?」
「……まだその話し続けるのかよ」
 ひょっとして自分が相談していた内容を忘れちゃってるんじゃないだろうか。記憶力というか色々不安な妹過ぎる。
「千石は月火ちゃんの友達でもあるんだから、あらん妄想に巻き込むな」
 千石は僕の友達であるのと同時に月火の友達なのだ。しかも友達になった順序としては月火の方が先である。
「そうだよ。そういう月火ちゃんに聞けばいいんじゃないのか?」
 本来、この手の話って言うのは異性の兄妹には相談したくないのが相場ってものじゃないだろうか。
 火憐ちゃんが人生相談しにくることも意外な話だけど、そもそも相談相手が月火ちゃんじゃなく僕だっていうのがおかしな話なのだ。
「ほら、あたし一応姉だしさ。一つ違いっていってもやっぱり姉としての意地があるっつーか」
「そんなものは捨てちまえ」
「いや、だって」
「ん?」
「月火ちゃんはもう経験あるみたいだし」






と、あざといところで切ってみたり。
続きが気になる人は31日に東K-60a「硝子の月」にどうぞ。俺も多分売り子してると思います。開幕ダッシュで買い物終わらせた後に。
posted by 右近 at 20:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 同人
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